10月16日(土)   4日目
朝から、雨が降っている。夏は温暖なローヌ地方とはいえ、
今日は寒そうだ。予報では、6度。
伊藤さんの仕事の関係で、少し遅めの10時出発。
早起きして、ちょっぴりリヨン観光。と思ったが
このレポートが書き終わってない〜!
で、近くのカフェで必死に書き上げる!

リヨンを出て、タンエルミタージュへ向かい、
ローヌ地方自然派のパイオニア的存在。”ダール エ リボ”へ向かったが
まだルネジャンが到着していなく、先に食事へ。
土曜日で、伊藤さんお勧めの店はやっていなく、ローヌ河沿いの綺麗なブラッスリーへ。

ルネジャンいない・・・

『Le Quai』
-Salade
胃もたれで特別オーダー

-Magret de Canard
キュイソンは良いが、脂面ももう少し火を入れたほうが好き。
アジアチックな甘辛ソース。

-Epaule d'Agneau
こちらは火が良く通ってい過ぎ、表面はカリッとしていて良いが、
中はもう少ししっとりしていても○。(偉そうに・・・)

てんぷら、焼きそばのようなメニューもあり、日本食好きのシェフの様。

【Dard et Ribo】
2010年についてはルネジャンより「白に関しては素晴らしく良くて、今までに無い位。
赤は”まあまあ”←日本語でルネジャンがそう言っていた。
量はそこそこ、全体としては数えていないのではっきりとはいえないが
そこそこの量がとれ、品質も楽しみなものになりそうだ」とのこと。

今年、ここは今の時期にしては寒すぎるので、冷えすぎないところを選んでの醸造・発酵。
セラー内の配置もいつもとは違うと言っていた。
楽しみなテイスティングへ
と・・・、ルネジャン『いくよ〜』と日本語で。
コメディアン並みの間のよさ。
全員大爆笑。

『いくよ〜』

 

【テイスティング】
* キューヴよりCrozes Hermitage "Baties" (以下Baties)blanc'10 (Marsanne100%?)
酸が美しいバティはルーサンヌも植わっている畑だが、RousanneとJ.Vのマルサンヌは、
ノーマルCrozes Blancに入れられることが多いとのこと。

*キューヴより”Baties” Blanc'10 J.V.(Marsanne100%)
白はやはりとてもよく、発酵もスムーズ。
エレガントでいいワインになりそうだとのこと。

*Crozes Hermitage"K"’10(Marsanne)
キューヴから。さらにキラキラした酸、果実が前2つより感じられる。
華やかで上品かつ、芯の強いワインに感じた。

*St-Joseph"Pitrou"'10 キューブより(Rousanne100%)
前3種より丸みを帯びてよりSec。但し、分厚いミネラルの塊。旨味。

*Crozes Blc "Pe de loup '10/Rousanne100%
10年初リリースの新しいキュベ
名前は「狼の足」の意味。JV4年の木からだが、凝縮感があり
バランスの取れた美しいワイン。2007年は酸敗で捨てたし、
2008・2009は造れなかった。ようやくリリース出来てうれしいとのこと。

*St Joseph "Les Champs" '10
旨み、ミネラル感、酸の存在感、間違いなくトップ。
余韻も断然長く、感動させられたワイン。

2010年は還元香もなく、酸化臭・酵母臭もなし。
ルネジャンのワイン。本当にきれいになった。
彼も2004年位から、よく昔言われた”ビオ臭”的なものがしなくなった。
といっていた。
そして、どうしてChampsはこんなに旨いのか尋ねると、シャンのすぐ下の
自分の家(最近まで前妻がすんでいた)に戻ってぶどうが喜んでいるからだとのこと。

以上・白。

以下・赤。

*Crozes Hermitage '10 ⇒プランタンになるかも

*多分キュベ"Primtemps"'10になるタンク
タンクより試飲。共に色濃く、タンニン・果実味共にしっかりとしている。

*"Baties"Rouge'10
とてもしっかりとしていながら、酸やミネラル、まっすぐなイメージ。
バランスが取れていて、華やかな香り。ルネジャンも思わず日本語で「大好きです。」

*Crozes "Pe de Loup" '10
赤は60歳と17-20歳のブドウの区画より。
メチャメチャすごい。
きめの細かいタンニンが豊富で、旨みたっぷり、まだ少し残糖あり。

*St-Joseph "Pitrou"Rouge '10
V.V. 60-70歳と30歳、10歳のブドウの区画より
旨みがしっかり、より丸みがあってエレガント。

トロンコニック型発酵層

*St-Joseph"Les Champs" '10
とても繊細。ミネラル感やフィネスがあり、Vin de Garde

*Hermitage '10
数年前まで借りていた畑を今は購入できている。
少し植樹もした。非常にスパイシーでワイルド、美しい酸とバランス。

*Vin Mousseux de "Dard et Ribo"'06
シャンパン ダール エ リボと言っていた。 
非売品で自家消費用のトラディッション製法のムスー。
やさしく、香りが豊かで旨みたっぷり。

※2010年は9/20〜収穫を開始し、10/8まで行った。
山崎さんという日本人のスタジエが今年は手伝っていた。

ドゥミ・ミュイ(やや大きい樽)


2010年。全体的に白はよりエレガントで酸ののっている印象。
赤は、ルネジャンは「まあまあ」と言っていったが、
とてもおいしい。液体の濃度に関しては、2009年よりも感じたものも。
ただ、まだ発酵中だったりしたので、濃厚に感じたが、まだわからない。
赤はエレガントで美しい。昔のビオ臭いというイメージは全くなし。
(数年前からわかっていたが、さらに)

夜は大岡さんの訪問を考えてあったが、ルネジャンが自宅へ食事に誘ってくれたので、
そちらに。ルネジャンの盟友Francois Riboさんは、
家に帰っていたのでお会いできなかった。

家来る?


フランソワさんに会えなかったのは残念だったが、夜は、ルネジャン宅で宴。

ルネ・ジャン宅


奥様のヒデコさんが料理を作ってくれた。

アランビックという友人の蒸留業者さんにお願いして、
豚バラを葡萄のマールで蒸し上げてくれていた。
→これがとてつもなくうまかった!
さらにピザと大量チーズを振舞ってくれた。

俺が蒸したんだ! ガハハハハ

Rene Jean宅での試飲
@Lard des Choix Blc '09
トロピカルな香り。とても丸い。
ねずみの絵についてのお話を聞かせてくれた。
最初ねずみ年に日本にリリースされたので、毎年変わるのかと思っていたが、
実は昔話に因んで自分をねずみに例えてラベルを考えたそうだ。
「都会のねずみと田舎のねずみ」のお話があるらしい。

ACrozes Blc '09(Rousanne + Marsanne)
BSt-Joseph '09(Rousanne)
  2・3を比較すると、3より丸みがあり旨み系。

ラルデショワ

C"Baties" Blc '09(Marsanne)
D"Le Champs" '09(Rousanne)
EHermitage Blc '09(Ronsame)
  4はミネラリーでシャープな酸も。
  5は熟していて構成のしっかりした味わい。
  6は300本ほどしか造っていない、ほぼ非売品をあけてくれた。
以上白

以下赤
F"C'est le Primtemps" '09 12.2%Alc
とても爽やかでフルーティ。09年ならではの濃厚でありながらぐいぐい飲める。旨い!!
GCrozes '09 12.5%
HSt-Joseph '09 12.5%
同じアルコールの両方と比較すると、9の方がまろやか。
8の方が果実味がある。
いつもそうだが、サンジョゼフのほうがまろやかでふくらみが有る。

ラルデショワとんでもなくウマイ!

I"Baties" '09 12.5%
JHermitage '09 13%
さすがの旨さに驚いた。10.11共にとてもバランスが取れていて、
濃厚でありながらエレガント

KCrozes Blc'99 13%
LCrozes "Baties" Blc '96 14%
12・13はせっかくなのでと古いヴィンテージを開けてくれた。
やはり以前のはまったり系。 
とてもおいしいが多分今のものが10年経ったものの方が
個人的には好きなような気がした。(特に10年)

◎ルネジャンの親しみやすくも信念を持ち、常にクリエイティブで前へ進んでいく
エネルギーと人柄がワインに表れているのが実感できた。
厳しい畑仕事だが楽しんでいるようにすら思える。
急な訪問に快く家にまで招待していただいて、ルネジャンの家族に感謝。
こういう方のワインをもっと販売できる力・情熱を養って生きたい。
それにしても、15本位空いただろうか?
気持ちいいほど豪快に”ポンポン”ボトルを空けてくれたルネジャン。
日本酒にも挑戦するとかしないとか?
無添加の日本酒(日本のもの)を我々に飲ませて、「これは、どう思う?」
とか、研究熱心。とにかく個人的にも好きな生産者。
改めて、やっぱりスゴイ! ダール エ リボ!!!

家の裏 レ シャンの畑

早くも4日目が終わろうとしている。今日も”酔っ払い”です。

『酔っ払いです。』 ルネジャン撮影

ホテルについて、うとうとしていると、
ルネジャンが「アナタ酔っ払いです!」と日本語でいっていたのが、
頭の中で繰り返される。
ルネジャン・・・。きっとコメディアンとしても成功しますよ・・・。

明日は、ルネジャンの大親友・エルヴェ スオーさんのドメーヌ
ロマノー・デストゥゼへ。


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